敷金とは原則戻るお金ってどういう事?
- 2018/4/9
- 敷金・礼金
敷金とは?
敷金とは何のために支払うお金なのでしょうか?一般的に敷金と礼金はセットのようなイメージがあるかもしれませんが、この2つは全く性質が異なるお金です。
礼金という制度は、昔からの不動産業界の慣習が現在まで残っているというもので、現代にはそぐわないお金で支払う必要性が低い制度です。
礼金の始まりは諸説あるのですが、戦後住宅不足であった頃、部屋を借りるのも一苦労で、そんな時に部屋を借りれた際に大家さんに「お部屋を貸してくれてありがとう」という、感謝の気持ちを込めてお礼として渡していたお金です。
敷金は、礼金とは違い担保として一時的に大家さんに預けておくお金です。家賃の支払いなどを怠ってしまった場合、この敷金が充てられます。
こういった家賃の不払いや、お部屋も通常使用していた場合、原則として退去時に返還されるお金が敷金です。
実際には契約書などに敷金特約などが設けられていることが多く、原状回復費用や部屋のクリーニング代が敷金から差し引かれます。
こういった場合は、差し引いた残った残金が返還されることになります。
敷金が原因で起こるトラブル
賃貸契約関係で起こるトラブルで一番多いのが、敷金の返還を巡るトラブルです。
大家さんにしても一度受け取ったお金を返したくないでしょうし、入居者からすれば原則返還されるべきお金であれば、1円でも多く返還してもらおうとするはずです。
そういった両者のせめぎあいの結果トラブルに発展してしまいます。先ほどご紹介した礼金もあてはまるのですが、不動産業界には古くから残る慣習などもあり、それらの存在がトラブルのもとにもなっています。
原状回復義務などといった、原状回復という言葉の意味の解釈なども統一されていなかったりなども理由の一つです。
これに加えて、関西エリアなどでは敷金ではなく敷き引きとか保証金などという名称になり、これは通常の敷金のような返還義務は無く、イメージ的には敷金と礼金が合わさったようなもののようです。
こうした言葉の意味、エリアによって使われる言葉の違いや中身の違いなどもトラブルに繋がる原因です。
いち早い全国的な言葉の統一と中身の統一が求められます。
それがなされない限り、こういったトラブルは続くでしょう。
少しずつ変わり始めている敷金
こういった敷金トラブルの多さから、敷金の取り扱いも少しずつ変わり始めています。
もともと現代にそぐわない礼金とトラブルの多い敷金を不要にし、その代わり原状回復費やハウスクリーニング代という名目で、退去時に定額を請求するといった物件も増えています。
こうした入居する方々に取ってわかりやすい様に変わっていってほしいものです。
今後もトラブルが少しでも減るような改革を進めていってほしいと思います。