敷金と預り保証金の関係
- 2018/9/25
- 敷金・礼金
敷金と預り保証金の線引きをしたとしても、具体的にはどこで線を引けばいいのかさっぱりわからない問題です。不動産関係の仕事に就いている方にとってはお判りでしょうが、借りる側からすればよくわからない問題です。
■預り保証金という意味
そもそも、預り保証金というのは近畿エリア以外では縁がない言葉だと思いますが、基本的なことは敷金と同じ役割を果たしています。補償金というのは家賃数か月分を初期費用として支払わなければなりません。
首都圏エリアでは預り保証金という制度はありませんが、近畿エリアでは当たり前だと言われても関東では非常識とされています。どうしてそうなるのでしょうか?
●近畿エリアの大半では常識
預り保証金というのは、退去時の部屋の掃除における原状回復や家賃滞納の際の補償として、貸主に払わなければなりません。家賃の半年から約10か月分程度が基本で、仮に家賃5万円の物件を借りるとしましょう。
・50000(家賃)×10(最高)=500000(預り保証金)
つまり、家賃5万円の物件に対し10か月分の預り保証金が必要な場合は、50万円を用意しなければなりません。しかし約10か月分は高すぎるという見解から家賃の3~6か月程度へと見直されています。この場合の計算は以下の通りです。
・50000(家賃)×6(最高)=300000(預り保証金)
なお、修理費用については敷引きと言われる制度で一定費用が預り保証金から引かれ、最終的な残額は貸主が借主に支払う事になります。
※上記の数式は、あくまで目安であり実際の金額などと異なる場合があります。
●敷引き
契約した時点で、預り保証金から差し引かれる各種費用の事です。ルームクリーニング代として保証金から約1~3か月分程度引かれます。なお、家賃滞納や目立つような破損が無い場合でも関係なく差し引かれます。
気を付ける点は、預り保証金と敷引きが同額に設定されている物件についてです。この物件に住んでいると、退去した時には一銭も戻ってこないことがあり、これは借主と貸主の間におけるトラブルの原因の一つとなります。近畿エリアで物件を借りるときは要注意ポイントです。
首都圏エリアと近畿エリア、制度こそ違えどこれだけの費用に差が出てくるというのですから、引越しを検討する際には注目しておきたいところですね。
近畿エリアから首都圏エリアへ出てきた人たちにとっては、ある種のカルチャーショックを受ける事もありますが、それだけ土地柄と文化が違う事を物語っているのかもしれませんね。近畿エリアの方が初期費用という意味では高めに設定されています。
■近畿エリアだけでなく…
預り保証金や敷引きという制度ですが、近畿エリアだけでなく九州エリアの一部でもこの制度が生きています。中国エリアと九州エリアの一部では預り保証金や敷引きといった制度があり、基本的には近畿エリアと同じやり方です。
しかし同一エリアでも例外があります。京都・滋賀エリア(近畿エリアの東側)ではこのような制度をやっていません。近畿エリアでも、例外という意味で預り保証金と敷引きはやってない自治体があることを覚えておくといいでしょう。同じ日本でも、ちょっとした風習の違いを感じることが出来ます。
基本的に首都圏エリアは、敷金と礼金の制度ですので、近畿エリアとはちょっと違う事を頭の片隅に入れていただければ幸いです。
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