敷金の退去時の扱いは?『敷金(償却)』の意味は?
- 2017/10/27
- 敷金・礼金
敷金は、大家さんに預けるお金で、退去時に立ち会って修繕の見積もりを出し、余分が出れば返還される…そう思っている方がほとんでしょう。ただし、『敷金(償却)』と書かれている場合にはチョット違ってきます。知っておきたい敷金のことについてお話しましょう。
■『敷金(償却)』は返金なし!
もともと敷金とは、修繕が発生した場合などの費用にあてるため、大家さんに預けておくお金です。
家賃6万円の物件で、敷金2ヶ月分を預けている場合には、12万円が預かり金となります。
退去者の請け負う修繕費が8万円の見積もりが出た場合、4万円が返却されます。
修繕費が敷金を超える14万円ならば、不足の2万円を支払います。
ところが、『敷金(償却)』の記載がある場合には、全てを大家さんにお任せすることに同意したことになります。
もし、部屋をキレイに使っていて、修繕の必要がほとんど無い場合でも、敷金は返ってきません。修繕や家賃滞納が一切無くてもそのままになります。
修繕や家賃滞納分が、敷金を超えた場合には、不足分が請求され、入居者にとってはあまり良い条件に感じられませんね。
できれば、敷金は後から精算にしたいかも…。
■敷金無料の物件なら必要額のみの支払い
最近は、敷金無料の物件も増えてきました。
「預けているお金で、あとから返ってくる」と言われても、契約時に払う金額も大きくなりますし、あとでどれくらい返ってくるか、はっきりしないお金なので、不安を感じる場合もあるでしょう。
入居者が責任を負う修繕費についても、もめることがあり、裁判に発展する事例もあります。
部屋を使っていて不注意での破損・損傷は、退去の時の原状回復の対象になりますが、経年劣化に当てはまる、自然な擦り傷や摩耗については、責任がありません。
ただ、特約として退去時のクロス張替えが記載されている…といった場合には、こうした条件も含めて契約を了承したとされるので、注意が必要です。
■敷金なしの物件にデメリットはない?
敷金を預かることで、大家さんにとっては収入アップのチャンスなのに、無料の契約が増えているのはなぜでしょう?
最近は、賃貸物件も豊富になり、借り手市場と言って良い環境にあります。
優良物件なのに、入居者が決まらない物件もあります。
初期費用を抑えられれば、入居者も契約しやすいですし、敷金の返金についてもめることなく、状況に応じて必要な修繕費を支払えば良いので、スッキリします。
初期費用を抑えたい人や、敷金について不安を感じるなら、敷金ゼロの物件を検討してみると良いでしょう。