敷金など預り金の保全義務
- 2018/3/20
- 敷金・礼金
敷金とはどんな目的のお金?
敷金とは賃貸契約を行い際の初期費用の1つであり、あらかじめ家賃滞納など様々な債務を担保する目的で、家主などに預けておく性質のお金です。
入居者が家賃を滞納していたりした場合、このお金で補填されます。
原則として、通常使用を行っている場合原則全額返還されるべきお金で、家賃滞納もなく通常使用をしていたなら全額返還されるはずです。
しかし近年の賃貸契約ではこの敷金の項目に特約というものが設けられていることが多く、それによって通常使用であったとしても、原状回復費用やハウスクリーニングの費用が敷金から差し引かれる場合があります。
原状回復もしくはハウスクリーニングを行い、敷金に残金があれば返還されます。
この敷金の返還に伴うトラブルが非常に多いため、近年では敷金と礼金が不要の物件が増えています。
こうした物件に関しては、退去時にハウスクリーニング代などの名目で定額の料金が請求されることが多いようです。
こうした敷金の特約や敷金不要の物件の退去時の費用など、契約書などに記載されていますし、必ず物件の契約の際に不動産業者の担当者から説明を受けているはずです。
もし、忘れてしまっているなら今すぐ契約書を確認しましょう。
これから契約を行う方は、納得のいく契約を結べるような物件を探しましょう。
敷金の保全義務
敷金は家主に預けておくという性質のお金で、契約内容にもよりますが返還される可能性のあるお金です。
場合によっては全額返還されるかもしれないのです。
敷金はあくまで預けているだけなので、実質入居者のお金といえなくもありません。
この敷金を預かっている家主に、保全義務はあるのでしょうか?
例えば、この預けている敷金に万が一の事があったら、この敷金はどうなるのでしょうか?
この敷金の保全義務を家主が負っているのかというと、法的に保全義務はないようです。
保全という言葉の意味は、「保護して安全であるようにする事」とありますが、その義務を家主は負っていないという事になります。
敷金は今後減少していく
トラブルの多い敷金や礼金は今後減少していくことが予想されます。
この敷金の取り扱いに関しては、現在でも不動産業界の慣習などが残っており、一般消費者には分からない事が多いです。
関西ではあまり敷金という名称は使わず、保証金とか敷引きという名称が使われています。
こういったエリアによる違いも非常にわかりづらく、名称や意味合いなど統一されることが望ましいです。
今後敷金などのトラブルが起こらないような方向に不動産業界が向かう事を期待したいと思います。