礼金と法人税の関係!!税務上の処理方法
- 2018/1/17
- 敷金・礼金
礼金は繰延資産
礼金とは昔からある慣習の1つで、部屋を貸してくれた大家さんなどにお礼の気持ちを表すために支払うお金の事をいいます。この礼金は税法上どのような処理になるのかといいますと、繰延資産になります。
繰延資産とは?
繰延資産とは、会社や個人事業主が支出する費用の事で、その支出効果が1年以上あるものをいいます。この繰延資産には、会計上の繰延資産と税務上の繰延資産に分類できます。
会計上の繰延資産
・創立費
・開業費
・開発費
・株式交付費
・社債発行費
税務上の繰延資産
・固定資産を利用するために支出したもの
・一定の契約をするにあたり支出したもの
・資産を貸借するための権利金
・役務提供の権利金
・自己が便益を受けるための費用など
税務上の繰延資産は税法で定める償却期間に応じて償却していくことになります。 会計上の繰延資産は任意に償却することができます。
礼金の処理方法
礼金の金額が20万円未満の場合と礼金の金額が20万円以上の場合で処理方法が異なります。
①礼金の金額が20万未満の場合
礼金支払い時に全額費用処理を行うことができます。勘定科目は「地代家賃」で処理することになります。
②礼金の金額20万円以上の場合
税務上の繰延資産となるため、資産として会計処理を行います。勘定科目は「長期前払費用」で処理することになります。償却期間に関しては、賃貸契約期間が5年以上の場合は、5年間で償却します。賃貸契約期間が5年未満の場合は、賃貸契約期間内で償却処理を行います。
不動産に関わる法律や税制処理は複雑
日本では現在不動産投資がとても人気となっています。数ある投資案件の中でもローリスク、ミドルリターンといわれており、初心者向きの投資とされています。全ての投資案件に言えることですが、投資において利益を上げるのは容易な事ではありませんし、様々なリスクがあります。株式投資やFXに比べれば、不動産投資は安全といえるかもしれませんが、だからといって簡単なわけではありません。
それに加え、不動産のあらゆる知識や情報を得なければいけませんし、複雑な法律や税法も理解しなければいけないでしょう。こういった作業を投資初心者の方が利益を出しながら行うのは、容易な事ではありません。しっかりと法律や税法の事を理解しなければ、利益を上げるのも難しくなってしまいますし、不動産のメリットである節税効果を得る事も出来ません。
初心者の方は専門家などにアドバイスを仰ぎ、少しずつ理解度を深めていくのが良いでしょう。不動産運営と同じで、長期的な視点で不動産投資と向き合う余裕が大切ではないでしょうか。