礼金は大家さんに感謝の気持ちを表すためのお金ってどういうことなのか?
- 2018/3/6
- 敷金・礼金
そもそも礼金ってどんなお金?
賃貸物件の契約の際にかかる費用の1つに礼金があります。
礼金はお部屋を貸してくれた大家さんに対して、お礼の気持ちを表し渡すお金の事です。
しかし、お部屋を借りる側というのは、お店側からするとお客さんにあたります。
お店などで商品を購入するからといって、お礼の気持ちなど表しませんよね。
どうして、賃貸契約だけお客さん側がお礼の気持ちを表し、お金を渡すのでしょう?
礼金の始まり
そもそも礼金が生まれたのは諸説ありますが、1923年の関東大震災だと言われています。
関東大震災で多くの人々が住む家を無くしてしまいました。
賃貸物件を借りようとする人がとても多く、賃貸物件にも空き部屋がほとんどありませんでした。
そうした状況の中、部屋を無事かりられた人が感謝の気持ちを込めて大家さんにお金を渡したのが始まりだと言われています。
もう一つの説として、高度成長期時代に東京に息子を送り出す母親が、大家さんに対して「息子をよろしくお願いします」という気持ちを込めて、お金を送ったのが始まりだとも言われています。
この時代はご近所づきあいなど地域の絆も現在よりも強く、アパートなどの大家さんが、一人暮らしの若者の親代わり的な役割をになっていたという背景もあります。
こうしたことから、礼金を大家さんに渡すという事は、何の違和感もなかったようです。
礼金は現代にそぐわない
諸説ある礼金の始まりですが、制度的には現代に相応しくありません。
現在の不動産業界は、部屋不足でもなければ、昔のような地域の絆は薄れ、大家さんの顔すら知らないという賃貸物件も増えています。
こうした状況なのですから、礼金の役割はとっくに終わっていると言えるでしょう。
昔からの慣習という理由のみで高い費用を支払わなければいけない理由にはなりません。
現代は少子高齢化で人口が減少していることもあり、部屋あまりが起きており不動産業界の競争は激しさを増しています。
少しでも空室を減らしたい大家さんは、こうした昔からの慣習だけという礼金を無くし始めています。
現に礼金が不要の賃貸物件はずいぶんと増えました。
敷金に関しても、退去時の敷金返還トラブルなどが多いので、退去時にクリーニング費用などという名目で固定額を徴収する物件も増えています。
徐々に礼金や敷金事情は変わっている様ですので、昔からの慣習だけで残っている礼金の存在は今後消えていく事が予想されます。