敷金償却とは?消費税の扱いは?
- 2017/9/21
- 敷金・礼金
賃貸物件を借りるときに、敷金のところに(償却)などと書いてあるのをみたことがありませんか?敷金は、本来、大家さんに預けるお金で、本来、退去の時に返却されるものですが、償却と書いている時には、扱いが変わってきます。敷金償却についてお話しましょう。
■敷金償却と書いてある場合
一般的な敷金の扱いは、退去の時に原状回復費として必要な額を差し引いて、返却されるものです。
きれいに使用して、全く原状回復費がかからない状態であれば、敷金として預けたお金はそっくり返ってきます。
ところが、賃貸物件の条件に『敷金(償却)』と書いている場合には、預けた敷金は返ってこない事を意味します。敷引というのに似ていますね。
例えば、家賃7万円の物件で、『敷金(償却)1ヶ月』だった場合、実際の修繕費が6万円でも敷金として預けた7万円は返ってきません。
“償却”の表示がない契約なら、「退去の時に7万円返ってくるはずだったのに…。」とちょっとガッカリした気分になるでしょう。
もし、部屋を汚したり壁を壊したりしてしまって、10万円の原状回復費がかかった場合には、3万円請求されます。
敷金を預けていれば万が一の時に追加する金額が少なくて済みますが、何も落ち度がなかった場合でも、一切返金されないなんて、できればやめておきたいところです。
■敷金償却の消費税はどうなるの?
地代家賃の課税区分に従って消費税がかかるかかからないかが決まってきます。
ですから、一般の方が、自分が住むために借りる場合には、消費税はかからず、事業用に借りる場合には消費税がかかります。
ですから、帳簿につける時には、『長期前払費用』として消費税を含めた額を記入します。
(例)月額家賃25万円、2年契約、敷金4ヶ月で1ヶ月分償却のケース
・敷金として納めた預けたお金⇒25万円×4ヶ月分=100万円
・償却分の費用は、1ヶ月分25万円に消費税分をあわせて27万円
<敷金差し入れ時>
(敷金)730,000円 / (現金)1,000,000円
(長期前払費用)270,000円
<決算時(敷金の償却)>
(地代家賃)125,000円 / (長期前払費用)135,000円
(仮払消費税等)10,000円
※2年契約なので長期前払費用は1/2の135,000円になり、その中に消費税分が含まれていると考えるので、地代家賃の125,000円、仮払消費税等の10,000円に分けて記入します。
■最近は敷金がかからない物件もある
敷金はもともと部屋を大事に使いますよという意味合いや、万が一や賃貸滞納で迷惑をかけたりしませんといった意味合いを持つものでした。
しかし、現在では、保証会社を使うことが多いですし、初期費用を抑えて借りやすさをアピールする物件が出ているので、敷金ゼロのケースもあります。
初期費用を安くしたければ、そもそも敷金ゼロの物件を使えば問題なしですね。